てのひらの宇宙/梅昆布茶
 
ぼくは時間と空間を手のひらで表現できる詩人か
舞踏家か器楽奏者になりたいと思っているのです

ぼくは愛の不毛を説く説教師には決してなりません
どんな世界もちいさな愛の集積でできているんだもの

ぼくたちは生きる哲学の創始者となって生き延びてゆく
その総資産は地表を離れてきらめいて星屑になるだけなのです

でもね生きている間にやりたい事は山積です
きみを愛することや誰かの為にちいさな努力をすること

だってその為に生まれた天使の子孫 なんだろうからね
でもねクレパスでそらを描くと妙に濁っていたりすることもあるんだ

ぼくたちの
空はたぶん違った色で憂鬱と希望とを気まぐれに表現してゆく
ぼくたちの
獲得した言葉は僅かにじぶんを表明するだけで

ぼくたちは自然界のシフトのなかで僅かに自由を得て終止する命なのかと
あらかじめ用意された恋人同士の会話をできないぼく はふいに呼吸をわすれてしまうのだが

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