橇と風と/道草次郎
 

足の小指の先っぽを人差し指の柔(やわ)い腹でさわってみると
これも自分かと
落し物に
気付いた時のように思われます

一つの素朴な気付きは
千の逢着へのおそらくは発端で

雪上をゆく橇(そり)
あかるさだけが
無邪気に
滂沱(ぼうだ)とともに滑(すべ)らかです



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