発生学/道草次郎
ひとりでにできあがったものが
またひとりでに壊れていく
このフレーズが書きたかっただけでその後のことを考えず詩として投稿してしまうというその気分を表す言葉の幾つかが、今、頭にはあるけれど、そんなことを考えている後ろで
母が一つ咳をする。
ぼくはもういい歳で子持ち。
昔は子持ちと言ったら子持ちししゃもだったけれど、今子持ちといえばこのぼくのこと。お腹に子は詰まっていないけれど。
満月みたいなほっぺのあの子は今もウサギの縫いぐるみを抱えて眠っているはずだ…
さて、二行のフレーズをどうしようか。弄ぼうか、遊ばせようか。
富士山のてっぺんから紙ヒコーキを飛ばす、み
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