やり切れなさ/道草次郎
 
電気工事士の免状がほしいけど
本音をいえばずっと寝てたい
たまに夜目覚めた時に
コオロギがないていたとしてその声を聴きながら思索にふけるだけでもう充分だ
風にさらわれる塵であったらどれだけ良かったろう
意識の破片なんて散り散りになればいい

どうか喜びをください
ぼくは神も仏も信じないが
祈りたい
魂の実在を疑わない
かなしみをどうにもできずこうしていると
もう何もかも
吸う空気に至るまで
ぜんぶ吐気がする詩集みたいだよ

まいったな
今夜も海月みたいにゆらゆらしてなきゃならないようだ



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