私に触れないで/あらい
 
く可哀想な姿も、そこはもう空っぽなんだけど
花占いは叶わないって 立て札、ひとりでにいる道標に挙げ
潤白 ビオトープ / 荒れ果て 自然に還っていった。

(それが摂理だと知っていても尚、まだ夢を見せてあげたい)
爪紅の長月、底に秘され先に乱れもうすぐに秋と遺された絆痕
盆の宵にみたす幻奏がないて、鈴を転がした いたいけない君と
だきとめた耳もとのざわめきが (鳳仙花の仄影に過ぎないとでも)

何時ぞやの夏に擱いて、凡て亡くしたと、嗄れたと言うのに
徒花すら捧げられない、この廃園を愛していたから
毎年のようにあたりまえに季節が巡ってくる
幼少に描いた落書きの淵に掛ける記憶の鍵はラッキーナンバーと
四葉のクローバの栞を似せた君の琥珀アンバーだったとしても

(小さな花がくすねた、すこしの恋の行方は
           摘み取られたかいなだけが知っている)
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