吐露とねがい/道草次郎
 
てふたたび息を吹き返す

この繰り返しが
くりかえされると
人とぼくはやがて
小さな国を作る
小さな国の住人は二人だけ
二人の肩書きは書記官
いつしか小さな国の興亡が宇宙に刻印されると
小さな国は奈落へと落下する

あるいは
人とぼくはさよらをして___
さよならの先
宇宙の終局点においてふたたび出逢うことを宿命付けられて

薄明で
人とぼくは
興亡史を見やり
懐かしそうに微笑むだろう

人はぼくの傷をそっと撫で
ぼくも人の痣をさする

終局点において時空は停止する
二つの魂魄が
河原をただよいながら
入り乱れ
愉しそうに戯れる
いつまでも
いつまでも無垢はぬぐわれることはない



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