蒸発/服部 剛
あらすじどおり進めない
「自分」を脱いで 窓から棄(す)てて
惑いなき心の原石のみを
この部屋に残したい
汚れの落ちない
「自分」を脱いで
洗濯機に放り込みたい
筒状(つつじょう)のスピード回転は
我がずっこけ半生ダイジェスト
影絵の僕が小石につまずき
すろーもーしょんで
地面から両足が浮いてる瞬間
走馬燈(そうまとう)のフラッシュバック
君にわたし損ねた手紙やら・・・
ドブに落とした出世やら・・・
不格好(ぶかっこう)な愛情に似た
いろんな色の歪(いびつ)な形のリンゴ等が
思いあたる顔達浮かべて踊ってる
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)