時と思想/道草次郎
夜明けとともに
星座から手紙が漂着する
卍が印された切手を剥がして
ガスコンロの火でそれを焼く
それから二度寝をしたら
ウラン鉱脈の至る所から水滴を集めてきた子供が雪原で蹲り耳を塞ぎながらアルマゲドンに怯えている夢を見た
ぼくの中には鏡があって鏡に言わせると
昔、銀河を看病したことがあるらしい
産まれてからぜんぶ忘れてしまったのは
大層地球の上層圏が不幸だったかららしい
(かなしみ そのものは
終に、かなしまれることはない)
{引用=打ち壊された筏の群れがにょきにょきと立ち上がり朝食のトーストを齧っているぼくと同じ方向を向いて世界と朝の
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