歴史/千波 一也
 
プレゼント
この上もなく夢中になれる
情熱のかたまり
「なにを探し物にしようか」なんて
愚行を重ねるばかりの人間が
決められるはずもない

幻という響きが昔から好きで
理由はよくわからない
っていう
諸々の事情や背景が
いかにも幻らしくて
ますます好きだ
幻という響きが
その
包み込むすべてが
大好きだ

祈らないことは罪に値しない
ならば当然祈ることも罪に値しない
その
やわらかな形を
直線が貫こうとするとき
鋭角が突き刺さろうとするとき
つまりは
すこやかならざる何かが囲おうとするとき
祈らぬことは罪になり
祈ることもまた罪になる


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