夢/道草次郎
知らない場所で雑巾をカラカラになるまで絞っていたら、死んだ父親が生き返っていてもう一度同じ病気になっていた。ぼくは中学生で学校に行けていた。好きだった同級生は大人の女になっていて、知らない男と結婚すると言った。どこかで、椿の花がぼとりと落ちて、ラジオから『いとしのエリー』が流れてきた。すると、ぼくはほんの子供になって、近所の原っぱのシロツメクサの絨毯の上で遊んでいた。お祖母さんが呼びに来た。大人になったぼくはお祖母さんとならんで歩いた。「キャッチボールしようよ」ぼくが言うと、お祖母さんは父親になって、父親はおじさんが来てるよと言った。ぼくはなんだかすごく不満で猫に石を投げた。すぐに後悔
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