伝票/ガト
 
うちの取引先の
小さな町工場の社長さんは
うちの職人さんと古い友人で
入院先のベッドの上で
手書きの伝票を書いてくれる
おそらくはただ
その職人さんのためだけに
自分が書いているのだろう
苦しげに歪んだ
読みづらいその伝票を
ひとつずつ入力していくたび
人は
人が支えている、と思う   

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