M君/道草次郎
 
がり、大河となってしまった。


ぼくはいつか再びM君と会うためにどこかでボートを調達してくるのだろうか。そもそもM君はぼくにもう一度会ってくれるだろうか。それを知っているのも、やはり歳月だけなのだろう。でも、今度彼に会ったらなにもかもバカやろうと言ってやりたい、そんな気がする。お互いまったく仕方がないよなあと言って一緒にコーヒーでも飲みたい、とも思ったりする。


あの頃のように、愚かで情けなくて子供っぽい燃えかすがまだ二人の中に残っていればいいなと思ったりするのは馬鹿げているだろうか。



最後にM君の人となりを記しておきたい。
M君はどんなときも、よわく、そして誰よりも優しかった。



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