自分というだめなものを/道草次郎
しうるという
唖然
生きているということ
生き続けているということ
それは
当たり前であり
当たり前でないこと
ほんとうは
めまいのようなものであるということ
むこうから誰かがやってきて
荷物をおろして
しばし佇んでいる
語らいましょうと目を覗くと
その人は静かに笑い
立ち上がり歩いていってしまった
その背中には
たくさんの荷物がしっかりと
結わえ付けられていた
すきまから童が
ひょこっと顔をだす
手を振られたから
無意識に
てをふりかえしていた
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