希みへ/あらい
千切れて仕舞った雲間に覗く天の架け橋すら救えない
此処はおわりがみえない苑。空の極、痴情
朱色の帯が滲んで透けるバタフライを知っているか
球体から瘡蓋が死んでいく、瞬きを覚えている
薄い川は小さくなっていく、潤いを垂らしながら
身から零れる錆びた魂動が聞こえてしまうと
赤裸々に跳ねやがる、飢えた者たちの放蕩癖だ
直に握り締め震わせるかっこわりいタクトで刻め
最期の言の葉が魅せる時、緞帳に息吹が打ち寄せて
新たな喇叭が空を白く塗り手繰り、轟く稲光、打たれ歌う
そこに苔むした庭石に腰を下ろす天女が居る
小鳥がざわついて、季節を知ら占める滲んだ道に、
赤い華 揺れて 魅せて、
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