流れてきたものを/道草次郎
 
に火を放った
夢を
三日三晩みた
耕運機のうなり声が人の絶叫のように聴こえてしまう

流れさるものが
流れさるその先へと流れていくのを見送る

一日死んでいた
会社を休んで死んでいた
おもえば今までの人生
なんど休んでしまったことか
そして
なんどその日の日銭を失ったことか
妻子がいるのに
ぼくはこんな風だから
こないだ
ギリの母にクズ男と言われた
そう言われた日は普通に過ごし
次の日も普通に過ごし
その次の日は
遺書をかいた

流れていく
流れていく

強いことは善いことだと
野の花は言っている
あまり綺麗でない野菊の花は
西陽に照らされている
それだけのこと
それだけのこと
それだけのことの中に
どれだけの強さと善が
あるんだろうか
いまは
静まり返った新月の湖に
ボートを1つ浮かべたい
自分だけが悪いと
思ってはいけないね

そんな
子供でも知ってることを
1からもう一度考えなきゃならないなんて
つくづくこの人生は
歯がゆくも美しく、内的だ

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