夏期休暇。/星空ヒッチハイカー。
 
 
 いつか夢の中で見た駅であなたに出会う

 偶然か待ち合わせだったのかはわからない

 駅の名前も白く霞んでいる

 遠い夏の日のように 



 列車に揺られながらわたしたちは

 他愛ない会話を交わす

 風景のことおかしな雲の形のこと

 ぬるくなった缶ビールのこと



 蝉が言葉を話せたらうるさいだろうね

 蝉の七日分の言葉

 わたしには一生かかっても

 言えないことがたくさんある



 夢の中で何度か見た旅館

 露天風呂に浸かりながら海を眺める

 恋なんてもう忘れてしまった

 あなたも同じ水平線を見ていてくれたら



 夢なら覚めないほうがいいのだろうか

 ああまた同じ夢だと気づくもう一人の自分がいて

 あなたに言わなきゃいけないことを

 今日も言えないままに目が覚める
 
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