季節/ぽりせつ
 
      季節


    そのちびた鍵は 僕のものではありません

    錠前も 僕のものではありません

    だれかに優しくなれそうな夜です

    秘密は解かれたのか

    掛けられたのかわかりません

    淑やかな黄金の あやうい手ざわりで

    たしかに一度

    くみかわる音を聴いただけです

     「そろそろ出ましょうか」

    黒板にひとふでの鮎をのこせば

    砂金の線は ゆらゆら息せいているようです


    水草の火が 薄く燃えつづける夜です




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