朔夜/あらい
 
せり
 
あけましておめでとうございます
これは八月なのです

皆生まれ変わるような、願いを抱くそんな気分で、梅雨は終わりそうもない。緩やかに向かい合う死に誰も見向きもしない、そんな夏であったらよかったのに。いつまでも湿ったままの、足元の影に怯えては、
満開の花々が嘲笑っている。
くだらない言い訳で自分を正当化する。ミライはどうしたってきれない縁で繋がれ、紅い明いだけの希求が腫れ上がって弾けるまにまに(種の保存)だれかとソコにいるだけなのだ。
大気圏外に君の灰をばらまいてしまえるよう。今、簡単なペットボトルロケットに詰め込む、現われてもいない、腐った箱庭を波間に打ち上げるか。

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