怒り/ゆるこ
 


呻いている。
ただひたすら、呻いている。

枯れ果てて死んだ、
ひび割れた大地に
立ち竦んでいる。

風はびゅうびゅうと髪を乱す
口の中に砂が封じるように入ってくる。

血が混じる。
虚しくも血が混じる。
出せない言葉に痰のように絡みつく。

汚い呻き声が
激しい風の中で、地鳴りのように聞こえる。

吹き荒ぶ砂をよく見ると
それが言葉だとやっとわかる。
一瞬止まり、それからまた
風と一緒に飛んでいく。

暗い、暗い夜だ。
なにも無い空だ。
死んだ大地と、その上を踊り狂う風と、
放たれる呻き声。

乾く。
唇に触れ、ようやくわたしが呻いていることに気づく。

この荒野の中、わたしの魂が
ひたすらに、呻いている。

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