ブルース・ブラザース、日本へゆく第一章 7/ジム・プリマス
 
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 あれっと思って、エルウッドが気がつくと、まだ真夜中で、アパートの窓の外では煌々と月の光が、シカゴの街並みを照らしている。シカゴにしては静かな夜だ。
「まさかね。いくらなんでも、それはないだろう。」と独り言をいって、エルウッドはまた毛布に包まってねることにした。
 エルウッドが言っているのはシカゴ市鉄の動力用のトランスが収められている路地の庫庫のことで、この場所は孤児院育ちのエルウッドにとっては特別な場所だ。実は二代目ブルース・モビール、警察払い下げの74年型ダッジもここにいつも置いていた。
 エルウッドはこの場所には特別のエネルギーが働いていると子供のときから固く信じ込んでいて、この
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