他者への手紙/道草次郎
 
ぼくはそういう
単純な馬鹿だ
そして
みんな
単純な馬鹿でなきゃ
ほんものじゃないと
そんなことを
時々
かんがえる
考えて
かんがえて
あんまり
考えすぎて
低圧剤を
2錠飲む
割に合わないを
絵に描いたような
男だ

そう
昼間のぼくは
労働者
はたから見たら
働く人
そんなふうに
ほんとうに
見られてて
まるで
コンビニのおにぎりみたいに
ありふれて見えるなら
ほんとうに
それは驚くべきこと
涙が出るぐらい
嬉しいこと
何故って
ぼくがみる
ぼくとばかり毎日つきあって
もはや
ぼくはぼくならぬぼくに
憧れているから
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