彼らが神さまから盗んできた言葉/ジム・プリマス
 
いつも
礼儀正しく
控え目で
慎ましく
誰よりも優しい
人の善意を信じている
君には
酷かも知れないけど
この現実の世界には
つらのかわひとつ人間で
にくは底知れぬ悪意
はらわたは真っ黒な虚無
それが服を着ている
そんな人間が
本当に存在している
人格破綻者など
足元にも及ばないくらい
その放つ毒は厄介で
それは現実の災厄を招く
君の隣で
誰かが不幸になるのを見て
ほくそ笑んでる
そいつがそうさ
気をつけろ
君の純粋な精神を
奪われないように
気をつけろ
彼等は一人じゃない
集団で存在している
気をつけろ
彼等は道の端々に
罠のように立っている
そして君が通りかかるのを
執拗に待ち構えている
愛想の良い笑顔をうかべて
そして君に耳に優しい言葉を
囁いてくれるだろう
でもそれは神さまから
盗んできた言葉なんだ


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