鏡像/ホロウ・シカエルボク
 

殺意がある
おそらくは
得体の知れないものを
殺るための
そうして
奇形してゆく
正常な道を辿るために
入り組んだ鍾乳洞に
明かりもなしに潜り込むんだ
石のつららで頭を打ち
濡れた足元で滑り
傷を増やしながら
わけもなく奥へ
わけもなく奥へと
味方かどうかすら
わからないものに
手を
引かれながら
先に死んだやつら
先に狂った奴らが
異界から見物している
俺は
魂を投げ捨てるショウマンだ
地底湖に浸かり
芯まで凍えながら
出口を目指しているのか
それとも
どん詰まりを目指しているのか?
(それはどちらにせよゴールと言えるのではないか?)
ただ生きるだけなら無意味な
自問自答を繰り返す
たとえば
こんな
中途半端な明け方に

得体の知れないやつ
たぶん
産まれたときからずっと
俺のそばに居る

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