断片集「ティーンエイジャー」/簑田伶子
 
一.


剥がれおちる夕方から
くるぶしをなでたぬるい夜が
道順どおりにすすめなくて
わらっちゃうねいつも
欲望のはなし




二.


情熱と渇望とスカートと臨場感と失望
弱さが足しになる
ただの晴れた日に とても恥ずかしい




三.


歩くと揺れるものが持っているもののすべて




四.


触れなくてもわかるどこにでも窪みがある
地獄・おもいで・思い出さない
舌で音をつくると急にかわいい
生きもの/男の子




五.


帰るとき後ろ姿へ突き刺す 感情は
宇宙だ のみこむ私の 体ごと
さみしいと言えたらよかった




六.


うつくしさについて語るとき
遠いところにあってほしいとねがった
まなざしなど
届かないところに

炎だけここにあるなんて
節操がない





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