メロンクリームソーダ/ゆるこ
 


クリームソーダのグラスの中に
魂を浮かべて 眺めている
緑色の光を吸収し 揺らめいている
僅か21gの概念




あなたが最後まで探していた神様は
結局どこにも いなかったね
身体を少しずつひきちぎりながら
せっかくギリギリまで 待っていたのに

あなたも、あなたの父親も、母親も
最後までわたしの瞳を見ることなく 伏せてしまったけれど
かたくなに拒んだ その一粒 一粒が
美しく、醜い、腐った肉のように
わたしの足を掴んでいるよ

信仰なんて 結局 生者のみに必要なもので
すでに 四肢がもげたあなたに必要だったのは
わたしだったのにね、なんてね




言いかけた言葉を
口の中で さくらんぼのように転がした
食紅しか残らない 舌の上を
言葉が滑って、飛んで、
ソーダの泡のように消えていく、夏
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