女の子よ/秋也
 
成り得ない私は基本であり
素敵であるのだ

お城に王子
何者でもない私が王女になり
蒼いドレスをひらめかせ
真っ赤にはにかみ
無理してニコっと笑うのだ

「お祖母ちゃん、大丈夫、痛くない」
「はいはい、優君来てくれたから嬉しいよ」
「早く元気になってね」
「はいはい、ありがとう、優君も元気でいてね」
立派じゃなくていい、必ず幸せに生きるんだよ
「お祖母ちゃん、また来るね」

管に繋がれ、薬で痛みを緩和し、病院で最期を待つ
成り得た私も幸せなのだ

だって私は産まれた時から女の子なのだから


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