かいにはなれない、私は/あらい
間を覗く
あゝ ヤマであり、峠である。
さらば、おいさばらえる、わが身よ、
恋人もいない、いのるものもなく はてるだけの。
岩壁に下る、完璧なエンドロール
ハンケチには弧を描いていたのか
空白の棺で首を括り、ぶらさげた君の名を、舌で転がして、
片手間に、弄る
そしてひらりとかわす 愛言葉を、簡単に淡々と天に放つ
ちらばして、のばしたひに、おもりをも垂らして 沈む夕暮れ時。
風に流された赤い糸
ほつれた意図、ほら地上に縫いつけた刺繍糸切れてばかり
二枚貝はいと、ひらき、やかれ。すなつぶてとお道化ただけ、
それだけ。
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