混沌ー予備校のことなど/道草次郎
 
くたびれはてたやつらが
ざくざくとわきだしてきて
としとったたいようとあくしゅをする
わたくしは
くるい
すべてをだめにしたあとで
えりをただして
あしたにあいさつへいこう



「余りにも多くの命が敷き詰められたジャングルという混沌は、そこにある部分部分を総合しても到底出来上がる代物ではない。そこには、何らかの意志が宿っている、そう考えたのがアマゾン流域の部族ヤノマミです。彼らの口承神話に寄ると……」

白い机に突っ伏したままの大検予備校生のぼくは、講師の話にまったくと言っていいほど興味が湧かない。
窓の外に目を遣って街路樹のむこうをぼんやりと眺めるばかりだ。
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