内界の廟/あらい
 
 そつと触ったものは身を凍らせ すんと小さくなる いたみだけがソコにのこります。これが感情というやつなのでしょう。
 冷たくも燦然と仄めく、棘の酔うな粘りを、羽根と零した唯の魂が取り憑いてしまっただけの、もの。
 ああ、でもそれは離したくはない。かの人への思いの束ねに縁る。然しいつか廃れてしまうでしょう。
 
 今も未だ震え怯えては楚々と抱くのでしょうが、もう信じられないほどに堅く鋭く、私を嫐るように切りつけて、その見開いた眼差しでいつか狂うのでしょう。もうすぐにでも この身は張り裂けんばかりです。

 それならば私も貴方も何処へゆくのか。誰か看取ってくれるのでしょうか。
 目先も底
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