3つの呪文/道草次郎
「自殺した人、地獄にいくのかな?」
深夜2時13分。サイレントモードにしてあるスマートフォンの画面が前触れなく光を発する。
ザメハ
その5秒後に、ぼくは反射的にこう返信していた。
「話しよう。ね、とりあえず話だよ」
沈黙。しばらくして返ってきたのは、
「ただ聞いてみただけ」
通話する気がないんだなって思ったからLINEに切り替える。この間のニュース絡みかな…などとあたりを付けつつ、ぼくの返事は、お世辞にも褒められたものじゃなかった。
「自殺でもなんでも、死んだらみんなきっと天国にいくと思うよ」
マホトーン
さっきより長
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