ルート19号の幻想/道草次郎
 
から。

多くは、もう望まない。身の程に応じて続きを、続けたいだけなのだ。

さて、なんだかもう色々な感情や企てで頭の中がぐちゃぐちゃだ。取り留めなく浮かんだ些末な事どもがてんでバラバラに今日というテーブルに散らばっている。そうだ。ここに、連関による感動は見いだせない。今はただつらつらと、心に浮かぶ消えそうな断片を拾い集めているだけかもしれない。

このまま行けば、松本へは何時に到着するだろう。

ご丁寧にもナビが、継続運転時間が90分に差し掛かった事を伝えてきた。一昨日から36時間が経過した中での唯一の気遣いがAIからとは。

もちろん休息はしない。
そう。
休息は、まだしないんだ。

『15の夜』を聴きながら軽自動車を飛ばすぼくは、まだ終わらないダム湖のカーブの向こう側へ辿り着こうとしているのだから。











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