蛟 (みつち)/あらい
 
産卵を模様した郷に
常闇が、足繁く、通う。
私の日々をのたうちまわる恐ろしきかな

上澄みの割れた面に等しく靴跡は沁み込んで、
花を嗅がせ罪を彩る
睡蓮下の奥の襞に毒を曝し
烏の聲が嘆こうとも咲く花や微動にせず

軌跡に周るが偶然にもなく
出来損ないの思い過ごしが跡形も遺らず
日々の月の灯りの影の、
君が底に魅せていたものが、果たして。

わらうかどうか。心
そのもの。
戻る   Point(3)