落ちてきて流れてゆく/まいこプラズマ
通りすがり
とある中学校のフェンス越し
昨日からの雨で校庭は
ぬかるんだり
小さな川が流れたり
片隅に植えられた
紫陽花の葉っぱの上では
雨粒たちが
青瑪瑙の勾玉みたいに
一瞬捩れたように踊っている
バケツの中に集められ
ただ淀んでゆくのを待つだけなのは
ほんとうの幸せなのかな
などと
考えさせられたりして
居心地の良い居場所に
こだわる必要なんか
意味のない事なのかも知れないね
落ちてきて
流れてゆく
ほんとうはそれだけで
美しいのかも知れない
戻る 編 削 Point(4)