あおいえ/あらい
ぐ一等星、朝焼けに宿る鳥居の隅にある
蜃気楼の舟。流浪の愛を連ねてもあの果実の前では無意味に巣食う
鴎が泣いた夢、恋焦がれて浚われた海の入り口に見合う
マーマレードの偽薬に憑りつかれた回転は狂った舵を利かす
右往左往する少年と少女が遊覧飛行を楽しめるように
閉じた瞳でひとり いきる希みを青い鳥に託して、子午線を退く
図案化された今を抑え、風に蒔かすだけの泡雪と時化る
朧月夜の如く幽玄の涯花。まるで陽炎、それはうつろいひ。
放課後の糸口を撓める 晩餐と絡繰り時計、含みを満たす口吸ひも
暗がりに灯る 頬の明滅 ときの激情も、悪戯に再現さる幕切れ
ざわついた町へ、約束の塚に消えると、懇々と想うことがある
ねがいごと
あれは、いきをとどめた、あしたとゆうひ。
梅雨の晴れ間かと見紛うような、まっしろなあおを彼方に
命名、あおい へ
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