針穴/あらい
 
てしまったらしき、路頭に迷うものは、多分身ぐるみを剥がされている。

 過去は戻せねえから無念だったか、なんて喰らい尽くしてャりたヰよなぁ。あんたの人生、狂わせてやんよ。大したことじゃない。ただのクズみたいなもの。あんたに寄生してる蛆虫みたいなもン、詰め込んでる汚物でしかない唯の肉の塊じゃあないか。今更出会ったこと、後悔するがいい。

(綺羅星は何処へ行っても見えやしないのに、方向は狂った磁石を持つ彼の一存に委ねる。その背には羽も無く、杖もない片足の常識)

 時を動かす方法は簡単なのに、ただ飽きて皆すぐに居なくなるだけで、非常に重要なことであるのに、当たり前のことは薄れていくばかり。
 楽になれないね 楽しいのにね 簡単なんだけど 面白くもない
 ただただ形が積み上がればいい。私の時がそこに見えるから、なんか生きてたみたい。
 笑っちゃうけど、こんなことでも愛している。

 蟒蛇の螺子、拳骨の取っ手を廻す仕事は誰にだってできるのに、
 羽根を作り出す時計台の時報がいつまでも聴こえないのは誰の所業か。
戻る   Point(0)