カエルの歌/
杏っ子
あなたはわたしのオタマジャクシ
あなたはいま透明の虹色にひかる粘膜に包まれて小さな心臓でリズムを刻んでいるの。
あなたはわたしのオヒサマ。
あなたが痛いほど必要だった。
暗雲にたちこめる豪雨に打たれて虹を夢見る乙女心を
あなたの清潔で大きな手が
蓮の葉のように包んでくれたのだ。
全世界があなたの希望
希望が幾重にも鳴り響いている。
透明の希望を包んだ虹色の卵の中で
あなたは歌ってる。
カエルの歌を。
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