鬼蜘蛛に食われた日/ポンテク
 
ただ純粋でただ無学な時
ただ好奇心でただ素直に
愛を求め 愛したかった

そんな一匹の蛾はひらひらと飛んでいた
光があるところへと
あっちへ行ったり こっちへ行ったり

ある時蛾は何の迷いもなく
光の方へと飛んでいった
鬼蜘蛛の巣だとも知らず

みごとに獲物は巣に捕らえられた
もがけばもがくほど巣の粘着質なものが絡んでくる
鬼蜘蛛は見計らって近づいてくる

そろそろ息の根を止めに
蛾は大きな羽を大胆に開き完全に無防備だった
蛾はされるがままに

鬼蜘蛛の栄養素となり
鬼蜘蛛の欲望を満たすだけの
ただの食料となった
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