恋昇り11「合格」/トビラ
 
、いつから私が密だと気づいていました?」
「今さっきです。貴方と目が合ったとき、閃きのようなものがありました」
「今まで密を密と認識したことがほぼ無く、ついさっきまで、私をただのコンビニの店員だと思っていた」
「はい」
「それにも関わらず、一瞬の閃きで、私を密と見抜いた。そういうことですね?」
「はい」
「素晴らしい。まったくもって素晴らしい。榛名シイラさん、貴方は通信能力に長けているという評価はありましたが、ここまでの直感力を有しているとは。フフ、人の思わない可能性に触れるというのは、ああ、なんて楽しい」
そう言って、目の前の人は笑う。

異質。
この人は、私とは異質な人だ。
[次のページ]
戻る   Point(0)