恋昇り挿し詩2「いつか収束する今日へ」/トビラ
 


 *

私は花瓶に水を注ぐのをやめた
いつまでも満たされないから

俺は壊す
俺は
何を壊しているのかわからない

私はもう何も見たくない
ただ一度
光を見てみたかった

俺には何もない
俺はやっぱり
空っぽの計算機だ

僕は自分の意味を思う
その意図を思う
僕としての在り方を問う

 *

私は
世の中には
新しい花瓶があることを知った
今度は満たせるかもしれない
満たされるかもしれない
花を生かせるかもしれない

俺は目隠しを外した
もう二度と
大切な物を壊したくなかったから

私は光を見た
もう光だけ
見て生きたい

俺は間違ってた
俺は
空っぽなんかじゃなかった

僕は笑う
笑うことは
ああ
こんなにも簡単なことだった
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