また生まれておいで/
もとこ
世界は眩暈がするほど傾いていて
正解な円など誰にも描けやしない
眠りの中に真実の夢は芽生えず
寂しい亡霊たちしか生きていけない
それでも風だけは懐かしい痛みを
お前に与えてくれるだろうから
旅人よ、また生まれておいで
虚しさの意味を反芻するために
私は再び母の仮面をつけて
お前の誕生を祝福しよう
優しい嘘をたくさん用意して
無音の岸辺で待っているよ
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