恋昇り9「みんなの思い、私の思い、一つの思い」/トビラ
ない第三の選択肢だと思うから」
「私もできることは、するよ」
連座は頷いて言う。
「うん、ありがとう。頼むときは頼むから、無理だったら断ってほしい。変な遠慮はせずに」
「連座君、ありがとう。菜良雲君も山藍さんも、私にできることはなんでもするから、言ってね」
「おう。でも、無理すんなよ」
「うん。もっとちゃんと話そう」
山藍さんも菜良雲も、そう笑って応えてくれる。
きっと、今は、ひどい状況なんだと思う。
しなくちゃいけないこともたくさんある。
それをどこから手を付けたらいいのかもわからない。
それは、とんでもなく劣勢ということなんだろう。
それでも。
それでも、私は幸せ者なんだとも思う。
だって、今、ああ、うん、とてもうれしい。
とっても。
続く。
戻る 編 削 Point(0)