恋昇り8「きっと大丈夫」/トビラ
 
、菜良雲はラウンジにいると思う」
「うん、ありがとう、エナちゃん。行ってくるね」
「行ってらっしゃい」
エナちゃんは手を振る。

 *

菜良雲はラウンジのソファに座ってぼおっとしている。
ように見えて、あたりに気を払ってる。

ちょっと離れた私に気づく。
私は安心して近寄る。
「よっ。だいぶ寝てたみたいだな」
「お陰様で」
「疲れてたんだろ? 昨日はがんばったんだし、ゆっくり休めばいいさ」
「菜良雲君、何か飲む?」
「ん? ああ、悪いな」
「いいよ。私が飲みたいだけだから。ついでついで」
私はオレンジジュースを二つ持ってくる。
「ありがとな」
そう言って、
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