恋昇り8「きっと大丈夫」/トビラ
 

「まあ、俺たちの首に価値はなくても、一ノ世自体には価値があるってことじゃないかな? 相手は俺たちと一ノ世との間を断ちたいんだろうな」
「それって、まずくないかな?」
もしかしたら、一ノ世君との関係が断たれるかもしれないことに、心臓がきゅうとなる。
「いや、それ自体はそんなに問題じゃないと思う」
「そうなの?」
「俺はそう思う。どっちかというと、問題なのは、おそらく一ノ世でもこの連絡を取れないという状況を覆せていない。一ノ世が覆せない状況を、俺たちで覆せるか? その方が問題だと思う。相手が関係を断とおとしてきても、こっちでちゃんと関係を保てば問題ない。それに、まだ妨害されているという
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