しゃにむに/
 



果てしない空にいる
姿なきしゃにむに
あるときは
つまづいて転がっていく石ころ
あるときは
風が止まったやにわに交わすキス
ときどき現れては
影だけを残して
もとからいなかったように消えてしまう

(憐れむものなどもう残っていなかった)

ぬるく光る夕陽の
やわらかな残像
はかなく
あとすこしで届きそうな
かたちなきしゃにむに
見つけようと目を凝らす
きょうを
この今をなくさないために
きみたちすべてに
なまえをつけたんだ




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