恋昇り5「心配と信頼とシュークリーム」/トビラ
 
まり。
私は振り返る。

そこには、ほのかな逆光を背に、誰かが立っている。

「き、君、君、さあ。ぼ、僕を誘ってるよね。こんな、こんなところに自分で来てさ。ころ、殺して、殺して、いいんだよね?」
異常者はナイフを取り出し、ゆっくりと近づいて来る。
間合いに入って来ると、一気にナイフを振り上げ、突き立てくる。
私はスッとかわす。
ナイフは宙を切って、異常者は勢い余って、転がる。
異常者は私を見上げる。
「あれ? 刺したのに生きてる? や、やった、二回、二回殺せる」
異常者は飛びかかってくる。
ので、顔に一発打ち込む。
ぐしゃりと異常者は崩れる。
顔がみるみる腫れ上がって
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