花環/
むぎのようこ
いる
いつの終わりも
はじめられてしまう何時からか
器から水はあふれて
とめどなく定められて
傷を
つけあううちにも呆気なく
限られてゆくのに
誰にも何にも
とめられることなく流れる
そうして水になって
あたりは春
野に一面の花になる
無垢なまま散っては枯れ
朽ちてゆく
野は
木々に埋もれる
また
いつかの春を浮かべて
夏や秋に冬を
越える
めいめいに身体に刻まれた
川を流れて水になって
ときを渡る
戻る
編
削
Point
(1)