ヒバチ/あらい
 
暗がりの瞼にやきついた 焔は揺らめき
もう遅いのでしょう 手の鳴るほうへ
死した真理(毬)は なにやかな 惹かれゆく
弾みない琴の歩が なして 低い河へ迎えらるる
蜘蛛の子が列を生し 錆びた蔓を下り降クダらん
砂糖を形成している 死角かもしれない

だがまだ準備できてないの
もたもたと風が零したのは

水飴 ざらめ 火蜂

漕ぎ得る程にあいに く、あつくなつく
肌を柔らかくヤク訳:根底に生を尽く

うたたねもはじまろう
厠の傍は 私 煌々と照らす少しの間柄
小坊主が行き交う 喧騒は揺るがないもの

ひは ほのくらく あまくは
はせるねが ここちよい

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