気が付いたらボロ雑巾のようにベッドに転がされていた/山人
 
まった。点滴の撤去方法、病床での心電図のやり方、尿管カテーテルの撤去など、若い萌え系看護師の前で私の粗末なシンボルが晒され、一気に抜かれた尿管カテーテルの痛さは飛び上がるほどだった。
 相変わらず、ホルター心電図は常に装着されていたが、動けるという喜びはありがたいものである。廊下に出て数十メートル歩くとN市の街並みが見え、それぞれに忙しげに車が行きかってはいるものの、新型ウイルスの影響か喧騒感はない。
 体は動けるようになったが、尿管カテーテルを抜いたあとしばらく尿道が痛み血尿が混じった。さらに極度の緊張からか便秘が続いた。
 四月二十六日、この日の担当看護師はEという女性看護師だった。やは
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