ルシウスとギーベンラートによる対話録?/TAT
らず、薄い絶望を味わいながら、「本当はコレじゃないのにな」と、日常をやり過ごしながら生きているんだよ。
分かるよ。だがなギーベンラート。既に今はそういう時代なんだ。インターネットを嫌いテレビで充分なのに、と囁く穏健派。だがテレビも生まれた頃はラジオから憎まれていた。華やかな繁栄と浪費の象徴だったのさ。ラジオはラジオで、そんな物が出来たら寄席はどうなる?コンサートホールはどうなる?ってなもんさ。時代時代で結局は鬼っ子だった。君が嘆いている心情は汲める。だがな。人々が今や肉体を疎かにしていて、魂をウェブ上に遊ばせていたとしても、だからどうだって言うんだ?それは悪なのか?君が決めたのか
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