しまパンえれじい/服部 剛
 
の見事に投げられて 一人へこんだ更衣室
脱いだしましまパンツには 破れた穴があいており
しおれたカーテンの隙間から
杏(あんず)の夕陽が覗(のぞ)いてた

見知らぬ都会の夜
空になったコーヒーカップ
開いた手の生命線を這う 銀の汗ひと粒

「占い師さん、あいにくですが 明日を知る気はありません」

コップに生けた黄色いバラが 呼びかけるように 少し傾く

( 過ぎゆく時間(とき)は全て夢なり )



   * 初出 メールマガジン「さがな。」 


戻る   Point(5)